睡眠時無呼吸症候群
これまでに何度か事故のニュースなどで取り上げられておりましたので
耳にしたことのある方は多いと思います。
睡眠時無呼吸症候群（Sleep Apnea Syndrome）は、眠っている間に呼吸が止まる病気です。
Sleep Apnea Syndromeの頭文字をとって、「SAS（サス）」とも言われます。
医学的には、10秒以上の気流停止（気道の空気の流れが止まった状態）を無呼吸とし、
無呼吸が一晩（7時間の睡眠中）に30回以上、
若しくは1時間あたり5回以上あれば、睡眠時無呼吸です。
寝ている間の無呼吸に私たちはなかなか気付くことができないために、
検査や治療を受けていない多くの潜在患者がいると推計されています。
この病気が深刻なのは、寝ている間に生じる無呼吸が、
起きているときの私たちの活動に様々な影響を及ぼすことです。
気付かないうちに日常生活に様々なリスクが生じる可能性があるのです。
放置すると、特に循環器疾患において、
高血圧は健常人の1.37倍、
夜間心臓突然死は健常人の2.61倍
脳卒中・脳梗塞は健常人の3.3倍リスクが高くなると報告されています。
また、睡眠の分断が日中の眠気、集中力の低下を起こします。
このことから居眠りによる交通事故率を健常人の約7倍も高くすると報告されています。
次のような方は該当する可能性があります。
睡眠時無呼吸症候群チェックリスト
寝ている間
いびきをかく
いびきが止まり、大きな呼吸とともに再びいびきをかきはじめる
呼吸が止まる
呼吸が乱れる、息苦しさを感じる
夜中にむせる
何度も目が覚める（お手洗いに起きる）
寝汗をかく
起きた時
口が渇いている
頭が痛い、ズキズキする
熟睡感がない
すっきり起きられない
身体が重いと感じる
顎が痛い
起きている時
強い眠気がある
だるさ、倦怠感がある
集中力が続かない
いつも疲労感がある
以上のチェックリストをご覧いただき
睡眠時無呼吸症候群（SAS）かもしれないと思われた方は
まずお近くの病院で睡眠時無呼吸症候群であるか否かという検査（PSP検査など色々あります）を受けていただき、
該当する方は病院で紹介状をお受け取り、当院までご持参ください。
当院では軽度の場合に治療法として勧められるマウスピースをおつくりすることができます。
来院回数は週1回程度の通院で約2，3回で完成します。
このマウスピースはスリープスプリントとも言われ夜間に就寝時に装着していただきます。
下あごを上あごよりも前方に出すように固定させることで上気道を広く保ち
いびきや無呼吸の発生を防ぐ治療方法です。
症例写真
症例１
患者さんが上下を間違えないように、わざと上下の色を変えて作製したケースです。
症例２
スプリントを装着すると、下あごが前方に出て、気道の閉塞を防ぐような設計になっています。
このマウスピースをつけて寝るだけの治療法で済むのは軽度の場合です。
必ずしも全ての症例に効果的な治療方法というわけではありません。
中等症までの閉塞性睡眠時無呼吸タイプに対しては比較的効果が見られやすい一方で、
重症の方の場合には治療効果が不十分とされる報告もありますので
紹介状にてマウスピースで治療効果が期待される場合に限り行っております。
大まかな治療の流れ
診査 口腔内（お口の中）を見ます レントゲン写真、お口の中の写真を撮ります
型を取ります
マウスピースが完成します。使用時の注意事項を説明いたします。
使用した感想をお伺いし、不具合があれば調整いたします。 以後、数回調整が必要な場合もあります。 最初から問題なく使える方、そうでない方と個人差があるためです。
費用について
紹介状をご持参の場合
保険診療が適用されます。費用は約２～３万円となります。
紹介状をご持参でない場合
保険診療が適用されません。
自費診療となりますので費用は約５～６万円となり日数が余計にかかります。
お忙しくてなかなか病院に検査にいけないという方もいらっしゃるかと思いますが
費用は保険診療適用の方がかなり安価になりますので、
お時間を見つけて睡眠時無呼吸症候群の診断が可能な検査を行える病院を受診いただき
紹介状をご持参頂くのが治療自体もスムーズに行えますので望ましいと思われます。
