石田歯科クリニック

訪問診療を行います

　当院では、訪問歯科診療を行っています。
当院は介護支援専門員（ケアマネ）有資格者が常勤しており、介護の知識も持っておりますので医療と介護の連携を図り、よりよいサービスを提供出来るよう努めます。
通院できない患者様のお宅や、病院や施設など、療養されている場所にお伺いし、診療室で行う診療に近い診療を行うことができます。
今まで訪問診療をした経験で感じたことは残念ながらヘルパーの方は口腔ケアまで手が回らないということです。
自分自身の家族の介護の経験でも、高齢になりますと、入れ歯を外したがらなかったり上手に磨くことができなくなり口腔内の衛生状態が悪くなってしまいます。
なかなか同居されている家族の方もお仕事や家事などで歯科医院に連れていらっしゃることが難しい場合もあるかと思いますのでそういった場合にお声がけいただければと思います。
汚れがちな口腔内の清掃、入れ歯の修理など、全身の健康管理の一環として診療を行っておりますので、お気軽にご相談ください。
ご家族の方へはご一緒に、無料で歯科検診を行っておりますので、ご希望の方はお申し出ください。

訪問歯科診療で出来ること

　一般の歯科医院ですることと、ほぼ同等なことができます。
◆入れ歯の作成
◆入れ歯の修理、調整
◆虫歯治療
◆歯周病治療
◆嚥下訓練
例えば入れ歯がなくて困っている方には新しく入れ歯を作製したり、入れ歯が合わなくなったり壊れてしまった方には修理をすることができます。
また、歯を削ることができる機材を持ち込むことで、痛みがある歯グキが腫れている等、様々な症状に対応することが可能です。

訪問歯科診療の費用

治療費は保険診療が適用されます。
通院した場合と同じですが、訪問診療代が別途かかります。
また、介護保険をご使用の場合にも別途費用がかかります。
お車代は当院より半径3㎞の範囲では頂いておりません。
また、お伺いすることができる場所は保険診療の取り決めにより当院より半径16㎞の範囲に限られます。
詳しくは、一度ご相談下さい。

訪問診療をご希望の方へ

国民健康保険被保険者証、後期高齢者医療費被保険者証（75歳以上の方）
介護保険被保険者証（お持ちの方のみ）
重度心身障害者医療費受給者証（お持ちの方のみ）
お薬手帳もしくはお薬の一覧が記載されている用紙
医療機関の血液検査データ（最新のもの、お持ちの方）
普段お使いの歯ブラシ、歯間ブラシなどの普段歯を磨く時にお使いの口腔ケアグッズ出来れば洗面器も

をご準備ください。また診療内容により電源をお借りする事になります。
ご了承いただけますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。
初回訪問時は今後の治療方針と治療に必要な期間の目安をお伝えいたします。

口腔ケアの必要性

口腔疾患の予防

むし歯や歯周病の予防、治療を行います

誤嚥性肺炎の予防

高齢者の死因で誤嚥性肺炎（ごえんせいはいえん）が上位になっています。
誤嚥性肺炎とは体力の弱っている高齢者が食物の残りカスや口の中の細菌が誤って気管から肺に入り細菌感染を起こし肺炎になることをいいます。
口腔内の細菌を減らし誤嚥性肺炎を予防します。

摂食嚥下機能維持・改善

年齢とともに衰える摂食嚥下機能を改善します。

脳の活性化

口と脳は関係が深く、口腔を刺激することにより脳を活性化させます。

介護予防効果

口腔機能が維持・改善されると日常生活動作を活発にし介護負担の軽減に繋がります。

おまけ：自分の介護経験で実感したこと

高齢になると、歯磨きを嫌がる

祖父は非常にまめで毎日欠かさず日記をつけていました。
元気な時は、きちんと入れ歯も毎日外して手入れをし、残っている歯もきちんと磨いていました。
小学生の時に、義歯が大きい空き瓶に入っていたのをいつも見ていました。
そんな祖父も、高齢となり晩年は病院に入院していました。
看護師さんは義歯の手入れまではして下さっても、残っている歯を磨くことまでは手が回らないようでした。
実際に他の業務が忙しいのですから、仕方ないことだと思います。
ある日、あまりにも口の中に磨き残しが多くてびっくりしました。
これでは肺炎になってしまうと思い、やさしく磨きましたがものすごい勢いで手をはねのけられ、ショックを受けました。
これでは肺炎になってしまうと思いましたので、嫌がっても無理やり磨いたものです。

歯があることの大切さ

入院中の祖父に口腔ケアを行った時のことです。
最初は残っている歯を歯ブラシで磨き、それから口腔ケアスポンジで口腔内を清掃します。
その時に口の中が乾いているかどうか、きちんと飲み込めるか、その機能が落ちていないかどうかをチェックします。
入れ歯を入れず、軟らかいものしか食べられず何とか生きているという状態の時期がありました。
もごもごと、何か言っているのだけれど、よく聞き取れませんので、うなずくことしかできません。
上は総入れ歯だったのですが、下は部分入れ歯でした。
これではだめだと思い、会話もはっきりしなかったものの徐々に軟らかいものからあげ始めて上の入れ歯もきちんと入っていることからおせんべいをあげ始めた途端滑舌もはっきりして意思疎通がしっかりできるようになりました。
きちんと噛める入れ歯が入っていることの大切さと硬いものを噛むことによって脳が活性化されるということを本当に身をもって体験しました。
それから93歳で亡くなる直前まで、会話もできましたし何でも好きなものを食べていました。
幸せな人生だったのではないでしょうか。
こんな人生を、皆さんに送っていただけたらと思っています。
それからケアマネ試験の勉強を始め、資格取得し、自分の経験を活かせたらと思い現在に至っています。

おまけ：訪問診療の費用についての誤解

訪問診療を依頼するとかなり費用が高くなるのではと誤解されている方が多いようです。
しかし実際は負担割合が1割、もしくは2割でありなおかつ介護保険も使えるため費用は高額にはなりません。
訪問診療で最も多い診療はご家族からのご依頼により以前まで使っていた入れ歯を落として壊してしまったためもしくは入れ歯を紛失してしまったために新しい入れ歯をお作りしたり今までに使っていた入れ歯がゆるくなって落ちてきてしまったり入れ歯が痛いというので直してほしいということが多いです。
よく合わなくなってしまった入れ歯を入れ歯安定剤で直して使っていらっしゃる方を診療室にご来院頂いた方でも多く拝見しますが、入れ歯安定剤は頻繁に貼り換えをしなければならないため、手間がかかる上に貼り換えによって結果的に費用が多くかかってしまうことになります。
また、正しく入れ歯安定剤をご使用いただいている方は構わないのですがそうでない方が圧倒的に多いのが実感としてあります。
正しい使い方をしていない場合や入れ歯安定剤を長期に使用していらっしゃる方の場合には顎堤（あごの骨）の吸収が進行してかえって入れ歯が不安定になっていく傾向が強いというデータがあります。
入れ歯安定剤は、例えば入れ歯があわなくなってしまってかかりつけの歯科医院に行きたいけれども休診日で診てもらえないといったケースや体調不良や時間がなくどうしても歯科医院に行くことができないという場合などにはお勧め致しますが、あくまで応急処置とお考えいただききちんと治すには歯科医院で治すのが機能の面でも費用の面でも最もよいのではと考えております。