CAD/CAM冠とは
以上の図は、患者さんが口を開けた時の歯並びを術者、
つまり歯科医師側が見た図になります。
条件は以下の通りです。
１．上下の両側の第２大臼歯が全て残っており、
左右の奥歯がしっかり噛んでいる方
（つまり、左だけ無い、噛めない、歯並びが悪く上の歯と下の歯が当たっていないなど
という方は対象外となります）
２．過度な圧力がかからない方
（非常に噛む力が強く沢山の歯にひびが入っているというような
方は残念ながら対象外です）
CAD/CAM（キャドキャム）はどういったものかと言いますと、
簡単に申し上げれば、「コンピューターで削ってできる歯」です。
（私が学生時代、10年ほど前は将来こんな時代が来るかも、
来るのでしょうか…といったくらいで講義で教授が数十分触れただけで、
学生としても本当に？？と半信半疑で聴いていたものですが、技術の進歩ですね。）
最近は白い歯を求められる方（特に女性）が多いですので、
これまでは経済的事情から銀歯しか入れることが出来なかった方にも
喜んで頂ける治療であることから、
当院でも保険導入されてから行っております。
今後は、銀歯に使用される金属の料金も高騰してきていることから
ますます「保険治療でも白い歯を入れる」時代になると思われます。
こちらは
当院で初めてCAD/CAM冠を入れた方（20代女性）のお写真です。
2014年9月4日に装着し、2023年2月現在9年が経過しましたが
問題なくお使い頂いております。
患者さんには、保険診療に入ったばかりであり
長期経過を見ていない為リスクがあることもご説明した上で
それでもどうしても銀歯は嫌だ、自費は経済的に難しいとのことで
お入れした次第です。
その後、3年間で当院でお入れしたCAD/CAM冠は
約40症例（40名）程度になりますが、
そのうち、歯が折れてしまった方は3名です。
数例行ってみての実感としましては
材質は軟らかいこと、
１．もとの歯が神経のない方、
神経を抜いてからかなりの日数が経っている方
２．ご自分の歯の残りの量が少ない方
３．噛む力が非常に強い方、骨格のがっしりした男性など
には、適していないものと考えています。
銀歯と比較しますとリスクもある治療法でありますし
患者さんによりこれらの条件はもちろん異なりますので
お口の中の状態をきちんと把握した上で
CAD/CAMが向いているかどうか判断させて頂いております。
